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土壌のpH測定(酸性orアルカリ性)で農場チェック!方法と実証

農業をやるうえで農地の状態を知るのはとても大事なことです。

  • (どんな)生き物はどれくらいいるだろうか?
  • 水はけはどうだろうか?
  • 栄養は足りているだろうか?

様々な方法でいろいろなことを知ることができます。

本日はそんな方法の一つであるpHを測定していきたいと思います。

pH測定とは

のちほど、私たちなちゅbioの農地を使って実際にpHを測定していきますが、その前にpH測定について説明したいと思います。

pH測定とは簡単にいえば、「酸性orアルカリ性を測定すること」です。

pH 区分の名称
5.6以下 強酸性
5.5~5.9 弱酸性
6.0~7.5 中性
7.6~7.9 弱アルカリ性
8以上 強アルカリ性

測定したそれぞれの値でざっくりと上記のように分けます。

多くの作物はおおよそ5.5pH~6.5pHの間を好みますが、作物によっては酸性を好むものも、アルカリ性を好むものもあります。

作物 適正pH
ダイコン 6~7.5
カブ 5.5~6.5
ニンジン 5.5~7
サトイモ 5.5~7
ハクサイ 6~6.5
キャベツ 6~7.5
トウモロコシ 5.5 〜 7.5
ホウレンソウ 6.0 〜 7.5
タマネギ 5.5 〜 7.0
ナス 6.0 〜 6.5
トマト 6.0 〜 7.0
キュウリ 5.5 〜 7.0
カボチャ 5.5 〜 6.5
スイカ 5.5 〜 6.5
レタス 6.0 〜 6.5

このように作物によって適正のpHが変わってきます。pHの違いは土中の違いになります。

酸性になれば土中のアルミニウムやマンガン、鉄などが溶けたり、カルシウムやマグネシウム、ホウ素などが溶けにくくなったりします。

このようなことが作物に影響して適切な成長に影響していきます。

pH測定方法

pH測定

今回私はpHを測定するのにデジタル土壌酸度計を使いました。

こちらを土中にさすことでpHを測定していきます。手順は以下の通りになります。

  • 幅・上下30~50cm、深さ20cmほどの穴を掘る

穴を掘る

  • 真ん中、四隅の5点を測定

pH測定

  • 計測5点の平均値を計算

pH実証測定

それではさっそく測定していきます。なちゅbioの農地は細かく区分けされているので、今回測定する場所は全部で11カ所になります。

穴を掘って、5点を測定する。当日はあいにくの雪日和でしたが、水にも対応した土壌酸度計なので大丈夫でした。

おおよそ30分で全ての場所を測定し終わったら持ち帰って平均値を出します。その結果がこちらになります。

農地番号 試行① 試行② 試行③ 試行④ 試行⑤ 平均pH
1 7 7.5 8 7 7 7.3
2 6.5 7 7 7 6.5 6.8
3 6 6.5 5.5 5.5 6 5.9
4 6 5.5 6 6 6 5.9
5 5.5 5.5 6 6 5.5 5.7
6 6.5 6.5 6.5 6.5 6.5 6.5
7 6 6 6.5 6.5 6.5 6.3
8 6 6.5 6.5 6.5 6.5 6.4
9 6 6 6.5 6.5 6.5 6.3
10 6 4.5 6.5 6.5 7 6.1
11 6.5 6 6 6.5 6.5 6.3

全体的にほとんど中性でしたが、一部弱酸性があるという結果になりました。

このようにしてpHの値を頼りに育てる作物を決めてもいいですし、植える作物が決まっているのならpHの値を調整していくのもありです。

石灰でpHの調整

雨がよく降る日本ではほとんどの土壌で酸性よりに向かうようにできています。

これは降る雨が酸性雨ということも関係していますが、それよりも多く影響しているのが雨による土中の水分量の増加です。

雨によって頻繁に土の中に水分がたまることで、土中のカルシウムやマグネシウムが溶けて出て行ってしまいます。そうすると酸性化が進んでしまいます。

なので、pHを測定したうえで値が足りず酸性に傾いていると判断したら土壌をアルカリ性にするために石灰をまきます。

ただし、作物のことを考えると種まき、苗の植えつけ2週間ほど前にまくことがポイントになります。

さらにもう一つ注意したのは、石灰をまいたらすぐに土と混ぜ合わせることです。

これは石灰に空気中の水分で固まる性質があり、それによってアルカリ性にする力が弱くなってしまうからです。

pH測定と調整まとめ

  1. 穴を掘る
  2. pHを測定する
  3. 石灰をまいて目標pHへ調整する

これまで説明してきたことを簡単にまとめました。

pHの測定は5点して平均を計算する。石灰は2週間前にまいておく。など押えておくといいポイントに注意して、ぜひあなたも作物にあった土壌環境をつくって、よりいい作物を育てるのに役立ててみてください。

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